【犬などペットの連れ去りにご注意!!】犬の連れ去りに成立する犯罪と賠償について簡単に解説しました!
昨今、TwitterやFacebookなどで
犬などのペットを連れ去られたという投稿をよく見ます
僕も仕事上、犬の盗難や爬虫類の盗難の相談を受けたことがあります
犬をはじめ、猫、爬虫類なども高額な取引がなされるので
ペットを盗んで転売して稼いでいる人が相当数いるのだと思います
犬を盗んだら窃盗
犬などのペットを転売する目的や自分で飼う目的などで連れ去ったら、窃盗罪です
(10年以下の懲役、50万円以下の罰金)
そして、盗んだ後に犬を転売した場合、その転売自体は犯罪になりません
なお、ペットをはじめから殺すつもりで持ち去っている場合は、窃盗ではなく
器物損壊罪(3年以下の懲役、30万円以下の罰金・科料)や動物愛護管理法違反(動物殺傷、2年以下の懲役、200万円以下の罰金)にしかなりません
これは難しい法律の問題なのですが、簡単にいいますと、ペットの窃盗が成立するには、ペットを買う、転売するなどの意思が必要です
犬などは家族の一員で、人間同様なのだから
誘拐や監禁なども成立するのではないかと思いたい方も多いとは思います
しかし、犬などのペットは、法律的には「物」であって「財物」です
略取、誘拐、人身売買、監禁は「人を」連れ去るなどした場合に成立する犯罪なので
犬などのペットの連れ去りなどには成立しません
なお、窃盗犯人が、盗んだ犬を汚い場所に詰め込んでいるような場合は
動物愛護管理法の虐待にあたり、刑罰対象になります(100万円以下の罰金)
犬の盗難を警察は被害届を受け付けてくれない?
犬の盗難は、窃盗罪ですので、決して民事の問題ではありません
ですので、警察には被害届も告訴状の提出も可能です
しかし、警察からは事件として受任できないと捜査をしてもらえないこともあるでしょう
それは、警察として、事件なのかどうか判断がつかないからです
「犬がいなくなりました」
といっても、警察からすれば盗難なのか、逸走(いっそう)なのかわかりません
逸走した犬を探すのは直ちに警察の職務とはいえないでしょうから
被害届を出したいといっても、盗難か逸走かわからないとして
事実上提出を拒絶されることもあると思います
なお、犬の逸走防止は買主の義務です(動物愛護管理法7条3号)
やはり、盗難であることを裏付けるためには
防犯カメラなどの画像といった、客観的な資料が必要になるものと思われます
犬の値段で刑罰が重くなることはあるの?
例え野良犬であっても、血統書付きの高級犬であっても
犬の連れ去りが窃盗罪にあたることに違いはありません
ただ、窃盗は財産を侵害する犯罪ですので
侵害された財産が高価なものなのか、廉価なものなのかによって
当然、刑も変わってきます
雑種の野良犬を拾ってきて飼っている場合と
血統書付きの高級犬の場合とでは
後者の方が刑が重くなる可能性があります
10万円にも満たない軽トラックを盗むのと
1000万円を超える高級外車を盗むのとで
後者の方が被害金額が大きく、刑も重くなるのと一緒です
また、被害者に対して支払う賠償額にも当然差が出てきます
そして、賠償額全額を支払えた場合と、支払えなかった場合では
やはり刑に差が出てきます
犬の転売業者のように、繰り返し窃盗をしている場合は刑務所行き(懲役)もありうる
一方、多くのケースでは、罰金か不起訴に終わるケースが多いように思います
特に賠償金を支払う示談ができている場合は、不起訴になるケースが特に多いと思われます
また、賠償額についても
いかに大切にしてきたか、という観点は付随的なものに過ぎず、ほぼ評価されません
あくまで、その物の時価が賠償額になります
時価は盗んだ時点の時価で
購入額ではなく、一般的な市場価格でもありません
あくまで、その犬の現在価値、時価になります
それゆえ、10歳以上の犬であれば、10万円にも満たない賠償額にしかならないケースが多いでしょう
犬の盗難トラブルを避けるためには
どんなに気をつけていても、盗まれるときは盗まれます
セキュリティがしっかりしていると思われる高級外車でも、車両盗グループにかかれば簡単に持っていかれてしまいます
しかしながら、少しでも盗まれないようにする努力はできると思います
・スーパーなどの前に、犬を繋いでおいて目を離すようなことはしない
・室外犬を室内犬にする
・取り外しにくい首輪にする
・防犯カメラの設置
僕は、防犯の専門家ではありませんのでこれくらいしか思いつきませんが
何もしないよりはよいでしょう
もう一点、盗まれてしまった場合のリスクは
盗まれた犬と、発見された犬が同一かどうかの判断がつかないことがあるという点です
窃盗犯が、「これは私の犬だ」と言い張った場合
一発で自分のものだとねじ伏せられるような証拠はなかなかありません
・首輪にシリアルナンバーを入れていたり
・DNA鑑定をしておいたり
・血統書などで特徴をしっかりと把握しておいたり
・あまりまだ広まってはいませんが犬にICチップを埋め込んで置いたり
という手段も、窃盗犯に開き直られないために、
検討してもよいかもしれません
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