【あおり運転厳罰化を弁護士完全解説!】道路交通法・自動車運転処罰法(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)の改正内容と改正ポイントが丸わかり!!
東名あおり運転事件や常磐道あおり運転事件
その他あおり運転に対する社会的な非難の高まりを受けて
2020年(令和2年)3月6日に
あおり運転行為への厳罰化を定める道路交通法と自動車運転処罰法改正案が国会に提出され
6月2日と5日に可決成立しました(施行は同月末の予定とのこと)
僕は「あおり運転罪が必要!!」とずっと言ってきたわけですが
(東京MX 「モーニングクロス」出演時のオピニオンクロス)
やっと時代が追い付いてきた感じがします(笑)
そこで、今回どのような法律改正がなされたのかと、
簡単な条文解説をさせていただきます。
まずは一覧表でご確認ください。
条文などはその後しっかり解説します!
【道路交通法】(改正部分抜粋)
あおり運転罪(妨害運転罪・要は危険な運転をしただけで処罰)として
10項目を列挙しています
第107条の2(5年以下の懲役、100万円以下の罰金)
次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
6次条第11号の罪を犯し、よつて高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者
※「著しい交通の危険」は物損事故を起こすこと等を想定、怪我をすれば危険運転致傷罪
第107条の2の2(3年以下の懲役、50万円以下の罰金)
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
11他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者
イ第17条(通行区分)第4項の規定の違反となるような行為
ロ第24条(急ブレーキの禁止)の規定に違反する行為
ハ第26条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為
ニ第26条の2(進路の変更の禁止)第二項の規定の違反となるような行為
ホ第28条(追越しの方法)第一項又は第四項の規定の違反となるような行為
ヘ第52条(車両等の灯火)第二項の規定に違反する行為
ト第54条(警音器の使用等)第二項の規定に違反する行為
チ第70条(安全運転の義務)の規定に違反する行為
リ第75条の4(最低速度)の規定の違反となるような行為
ヌ第75条の8(停車及び駐車の禁止)第一項の規定の違反となるような行為
といってもわかりづらいので
10個のあおり運転罪の
条文対応は以下のとおり
イ蛇行禁止(車線を越えての蛇行は26の2にも)
第17条
4車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた 部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
ロ急ブレーキ禁止
第24条
車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。
ハ後方からの近接走行(異常接近)禁止
第26条
車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。
ニ無理な・急な進路変更禁止
第26条の2
2車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
ホ左側追越・無理な追越禁止
第28条
1車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両(以下この節において「前車」という。)の右側を通行しなければならない。
4前三項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条において「後車」という。)は、反対の方向又は後方からの交通及び前車又は路面電車の前方の交通にも十分に注意し、かつ、前車又は路面電車の速度及び進路並びに道路の状況に応じて、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
ヘハイビームの継続・不必要なパッシング禁止
第52条
2車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。
ト不要なクラクション禁止
第54条
2車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
チ幅寄せ・急接近の禁止(安全運転義務違反)
第70条
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
リ高速道路での低速走行禁止
第75条の4
自動車は、法令の規定によりその速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、高速自動車国道の本線車道(政令で定めるものを除く。)においては、道路標識等により自動車の最低速度が指定されている区間にあつてはその最低速度に、その他の区間にあつては政令で定める最低速度に達しない速度で進行してはならない。
ヌ高速道路での駐停車禁止
第75条の8
自動車(これにより牽引されるための構造及び装置を有する車両を含む。以下この条において同じ。)は、高速自動車国道等においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる場合においては、この限りでない。
一駐車の用に供するため区画された場所において停車し、又は駐車するとき。
二故障その他の理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合において、停車又は駐車のため十分な幅員がある路肩又は路側帯に停車し、又は駐車するとき。
三乗合自動車が、その属する運行系統に係る停留所において、乗客の乗降のため停車し、又は運行時間を調整するため駐車するとき。
四料金支払いのため料金徴収所において停車するとき。
【自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律】(改正部分抜粋)
第2条(危険運転致死傷罪)
人を負傷させた者は15年以下の懲役
人を死亡させた者は1~20年の懲役
※元々あった直前侵入・著しく接近類型(4号)に加えて下記5号・6号
(新設 あおり運転1)
5車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為
<プチ解説>
要は普通に走っている車の前で急ブレーキ等をして自車を停止・著しく接近させることで、追突事故や路外衝突を起こさせたり、後続車からの追突を誘発するような場合
(新設 あおり運転2)
6高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する道路をいう。)又は自動車専用道路(道路法(昭和二十七 年法律第百八十号)第四十八条の四に規定する自動車専用道路をいう。)において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。)をさせる行為
<プチ解説>
高速道路・自動車専用道路のように路上で駐停車していることが想定されていない場所で、前号と同じく、急ブレーキ等をして自車を停止・著しく接近させることで後続車を停車・徐行させて、死傷事故につながらせた場合
ということで
いままであおり運転として問題視されてきたものの
ドンピシャの法律がなく
強要罪や暴行罪として立件されてきたあおり運転が
道路交通法に明記され
さらに東名あおり運転事件のように後続車に対して停車・減速強要をさせて
大事故を誘発したような場合も
危険運転致死傷罪に含めることを明記しました。
この改正によってあおり運転が激減することを祈ります!
なお末尾にその他の条文をつけております。
<弁護士高橋裕樹>
【弁護活動の実績】
4連続無罪判決 平成28年1月~5月の5ヶ月間に判決が下された3つの裁判員裁判及び平成29年12月に判決が下された裁判員裁判において、被告人の4連続無罪判決を獲得。
有罪率99.9%という刑事裁判において、4連続の無罪判決は弁護士界でも異例!!
また裁判員以外でも
令和元年12月に脅迫被告事件で 第一審の有罪判決を、高等裁判所での控訴審で逆転無罪に!!
目指すは『令和の無罪請負人』
【4連続無罪判決の内容】
1.「危険運転致死等被告事件」
千葉地方裁判所 平成26年(わ)第986号外
審理期間:平成28年1月12日~15日、判決:平成28年1月21日
2.「殺人被告事件」
千葉地方裁判所 平成27年(わ)第1008号
審理期間:平成28年2月1日~4日、判決:平成28年2月10日
3.「覚せい剤取締法違反、関税法違反被告事件」
千葉地方裁判所 平成27年(わ)第1162号
審理期間:平成28年5月10日~13日、判決:平成28年5月19日
4.「傷害致死被告事件」
千葉地方裁判所 平成28年(わ)第1500号
審理期間:平成29年11月20日~27日 判決:平成29年12月4日
【テレビ出演等】
●日本テレビ
Oha!4 NEWS LIVE、ZIP!、news every.、news zero
●フジテレビ
とくダネ!、直撃LIVEグッディ!、Live News it!
●テレビ朝日
グッド!モーニング、モーニングショー、ワイドスクランブル、報道ステーション、サタデーステーション、スーパーJチャンネル ●TBS あさチャン、ゴゴスマ、グッとラック!、ビビット
●その他メディア
AbemaPrime、MXモーニングCROSS
●新聞・週刊誌
日刊ゲンダイ、夕刊フジ、朝日新聞、共同通信、東京新聞、横浜新聞、千葉日報、週刊ポスト、フライデー
アトム市川船橋法律事務所
https://www.ichifuna-law.com/
【道路交通法】(本文全部)
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000105#194
【自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律】(本文全文)赤字が改正部分
(定義)
第一条この法律において「自動車」とは、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第九号に規定する自動車及び同項第十号に規定する原動機付自転車をいう。
2 この法律において「無免許運転」とは、法令の規定による運転の免許を受けている者又は道路交通法第百七条の二の規定により国際運転免許証若しくは外国運転免許証で運転することができるとされている者でなければ運転することができないこととされている自動車を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は当該国際運転免許証若しくは外国運転免許証を所持しないで(同法第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当する場合又は本邦に上陸(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)に基づき住民基本台帳に記録されている者が出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第六十条第一項の規定による出国の確認、同法第二十六条第一項の規定による再入国の許可(同法第二十六条の二第一項(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第二十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定により出入国管理及び難民認定法第二十六条第一項の規定による再入国の許可を受けたものとみなされる場合を含む。)又は出入国管理及び難民認定法第六十一条の二の十二第一項の規定による難民旅行証明書の交付を受けて出国し、当該出国の日から三月に満たない期間内に再び本邦に上陸した場合における当該上陸を除く。)をした日から起算して滞在期間が一年を超えている場合を含む。)、道路(道路交通法第二条第一項第一号に規定する道路をいう。)において、運転することをいう。
(危険運転致死傷)
第二条次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
(酩酊運転)
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
(制御困難高速度)
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
(未熟運転)
三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
(妨害運転)
四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(新設 あおり運転1)
五 車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為
(新設 あおり運転2)
六 高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する道路をいう。)又は自動車専用道路(道路法(昭和二十七 年法律第百八十号)第四十八条の四に規定する自動車専用道路をいう。)において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止又は 徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。)をさせる行為
(信号無視運転)
七 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(通行禁止道路運転)
八 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(危険運転致死傷 (走行中に正常な運転困難に陥った類型))
第三条アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。
2 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。
(過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱)
第四条アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、十二年以下の懲役に処する。
(過失運転致死傷)
第五条自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。