【自動車走行中にロケット花火】何罪になる?
広島市内で
走行中の自動車に対してロケット花火を数発発射させる非常に危険な行為が行われたようです
現在警察が車両の特定をしているとのこと
大事故にもつながる非常に危険な行為です
発射の仕方
加害者の意図
そして被害結果等に寄っては
殺人罪や傷害罪も成立しうるとは思いますが
かなりのレアケースだと思います
今回の件でもっとも適用の可能性が高いのは
道路交通法違反(危険行為)になります
罰則は五万円以下の罰金です
〜道路交通法〜
(禁止行為)
第七六条 何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。
2 何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。
3 何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。
4 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
一 道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。
二 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。
三 交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。
四 石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
五 前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。
六 道路において進行中の自動車、トロリーバス又は路面電車に飛び乗り、若しくはこれらから飛び降り、又はこれらに外からつかまること。
七 前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為
〜以上、条文〜
なお、危険な運転なので
危険運転致傷などの適用も考えられるかもしれませんが
(そもそも怪我人が出ていないのであれば適用の余地はないですが、仮に怪我人がいるとして)
結論としては適用の可能性はありません。
自動車運転処罰法の定める危険運転致死傷罪の類型に該当しないからです
〜自動車運転処罰法(抜粋)〜
(危険運転致死傷)
第二条 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
六 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
第三条 アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。
2 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。
(過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱)
第四条 アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、十二年以下の懲役に処する。
〜以上、引用〜
いずれにもあたりません
さらに
車の運転が
業務上過失致死罪の「業務」にあたると解されていることから
威力業務妨害罪の成立も考えられます
威力業務妨害罪(刑法234条)にいう「業務」とは,職業その他社会生活上の地位にもとづいて継続して行う事務をいいます(大判大10・10・24)
娯楽での運転は「業務」には当たらないとの考え方もあるようですが
判例を見る限り、自動車の運転を排除することはできないように思いますので
本件も威力業務妨害罪の成立可能性はあると思います。
上記の通り
結論としては
道交法違反での検挙になると思いますが
犯行車両の特定も含め
今後の捜査に注目していきたいです