弁護サービス

交通事故問題

損害賠償のご相談

弁護士への法律相談

法律相談

先日、交通事故に遭ってしまいました。相手は赤信号を見落としていたようです。スピードを緩めずに私の車に激突してきたため、私はむち打ち状態になり、未だに頚部に強い痛みを感じています。現在も通院している状態です。仕事も1か月休みを余儀なくされ、その間無給でした。具体的にどのような損害について加害者に賠償金を求めることができるのでしょうか。

弁護士からの回答

弁護士からの回答

加害者に賠償を求めることができる損害には、大きく分けて、①治療費などの積極損害、②休業による収入源などの消極損害、③慰謝料があります。

解説

損害賠償請求できる範囲

加害者に対する損害賠償請求は、被害者が被った損害を填補するためのものです。けがの治療費等、被害者が現実に金銭を支出したことによる損害(積極損害)や、休業によって得られなくなった収入など事故により失った利益(消極損害)が損害の範囲に含まれます。またそれ以外にも、傷害を負ったこと等による精神的苦痛(慰謝料)も金銭に評価され、損害賠償の対象となります。以上のように、損害は大まかに言えば、積極損害・消極損害・慰謝料に分かれます。このトータルの額が損害賠償額となります。

1 積極損害

⑴  治療費

必要かつ相当な実費全額を請求できます。鍼灸、マッサージ費用、温泉治療等は、医師の指示があるなど、治療上有効かつ必要がある場合に限り認められますが、その場合でも金額が制限される傾向にあります。

⑵  入院付添費・通院付添費

入院付添費について、医師の指示や受傷の程度、被害者の年齢等により必要があれば職業付添人の実費全額、近親者付添人は1日につき6500円程度、被害者本人の損害として認められます。通院付添費について、受傷の程度、被害者の年齢等必要と認められる場合には、1日3300円程度が被害者本人の損害として認められます。

⑶  雑費

入院雑費について、1日につき1500円程度認められます。

⑷  通院交通費等

公共交通機関(電車、バス)の利用代金。自家用車を利用した場合は実費相当額が認められます。

⑸  弁護士費用

弁護士費用のうち、認容額の10%程度が損害として認められます。

2 消極損害

⑴  休業損害

ア 給与所得者の場合
事故前の収入を基礎として受傷によって休業したことによる現実の収入減が損害となります。

イ 失業者の場合
労働能力及び労働意欲があり、就労の蓋然性がある場合(例えば数ヶ月後に再就職することが内定していた場合等)には、損害が認められる場合があります。しかし、損害額は平均賃金より下回るのが通常です。

ウ 家事従事者の場合
主婦の場合でも、事故により家事ができなかった場合には、損害として認められます。

⑵  後遺症による逸失利益

逸失利益とは、簡単にいえば、得べかりし利益のことです。事故による後遺症にさえなければ、将来得られていたはずの利益を算定します。後遺症による逸失利益は、後遺障害が被害者の労働能力にどのように影響し、また、将来どの程度持続するかを予測して、これが被害者の収入にどの程度影響をもたらすのかということを金銭的に算定します。不確定な要素が多いので、その算定は非常に困難です。

3 慰謝料

傷害の程度、後遺症の等級によって大きく額が違ってきます。

賠償金の請求の方法

1 被害額の算定

 損害賠償額の算定をします

2 当事者間の話合い

 まずは当事者間の話合いにより解決を目指します。

3 訴訟提起

 当事者間の話し合いがまとまらなかった場合は訴訟(裁判)を提起します。

弁護士に依頼した場合

⑴ 和解書の作成

 当事者間において話合いにより合意した場合には、和解書を作成します。

⑵ 文書作成・示談交渉

 当事者間で合意が難しい場合には、弁護士が代理人として内容証明郵便等で相手方に損害賠償金の支払を請求し、交渉します。

⑶ 訴訟手続の代理

 相手方と交渉で解決しない場合には、訴訟を提起します。

当事務所における解決例

自動車同士の交通事故で、弁護士が交渉を代理し、自動車修理費を相手方から回収しました。

 自動車同士の交通事故で、事故原因は相手方の一時不停止でした。代理人が交渉を行った結果、相手方が非を認め、修理費用を回収することができました。

Q&A

Q1 加害者に対する損害賠償請求はいつまでできますか?

A 損害および加害者を知った時から3年間権利行使しないと、請求権は原則消滅します。また、事故時より20年間経過したときも同様です(民法724条)。

Q2 「損害を知る」とは具体的にどういうこと?

A 「損害を知る」とは、死傷や物損の発生を知ることを意味します。人損被害者が治療の必要性を認識したときは、その時点で予見しうる範囲の損害全部を知ったことになります。