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証券会社に、「必ず儲かる」と熱心に勧誘され、商品の内容がよくわからないまま先物商品を購入したところ、大幅に元本割れし、多額の損害を被りました。証券会社の責任を問うことはできないのでしょうか?
弁護士からの回答
金融商品の販売等に関する法律に、販売業者の顧客に対する説明義務や、これを果たさずに顧客が損害を受けた場合、販売業者は損害賠償責任を負うことが定められています。
説明義務違反や断定的判断の提供があったことを顧客側が立証しなければならないので、販売業者と本格的な対立関係になる前に、担当者の話を録音する、メールのやり取りの保存など、証拠を収集しておくことで、後の交渉や訴訟を有利に進めることができます。
解説
勧誘に関する規定
消費者契約法は、事業者が消費者に積極的に勧誘を行う場合、その勧誘行為に、不実の告知(4条1項1号)、断定的判断の提供(4条1項2号)、不利益事実の不告知(4条2項)、不退去・退去妨害による消費者の困惑(4条3項)があり、このような勧誘行為により消費者が誤認・困惑して契約をさせられた場合には契約を取り消すことができると定められています。
金融商品販売業者等の説明義務
金融商品の販売等に関する法律に、金融商品販売業者の顧客に対する説明義務(金融商品の販売等に関する法律第3条)や、断定的判断の提供等の禁止(同第4条)、説明義務を果たさなかったときや断定的判断を提供し、顧客が損害を受けた場合、販売業者が顧客に対して損害賠償責任を負う(同第5条)ことが規定されています。当該金融商品について、販売業者は、具体的な仕組みやリスクを顧客に十分に説明する義務があります。説明を行っていて、顧客がこれを理解していなかった場合でも、販売業者の説明義務違反となり、損害の何割かの賠償を命じた判例があります。
対応方法
販売業者の問題となる行為の証明について、顧客側には証拠がなく、証明できないケースが多数あります。本格的な対立状況になる前に、販売業者からありのままの情報を開示してもらうことや、販売業者とのやりとりを録音するなど、証拠を収集する必要があります。
また、金融商品取引被害は示談等による解決が難しく、ほとんどの場合、顧客からの損害賠償請求訴訟によって被害救済がなされています。