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マルチ商法のご相談
法律相談
友人から、「儲かる商売がある」と紹介されて、健康食品の販売組織に加入し、大量の商品を購入しました。しかし、友人が言っていたほど商品は売れず、販売を止めたいと思い、事務所に行きましたが、なかなか止めさせてもらえません。どうしたらよいでしょうか?
弁護士からの回答
20日以内に書面でクーリング・オフを行います。事業者が、嘘や強迫等により事業者がクーリング・オフを妨害した場合、クーリング・オフ期間は延長されます。
勧誘の際、特定負担、特定利益、商品、クーリング・オフ制度や中途解約等に関して不実告知、故意の不告知により誤認して契約した場合には、6か月以内に契約を取り消すことができます。
勧誘時の説明に問題がなかった場合でも、中途解約することができますが、この場合、解約の意思表示をするまでの契約関係は有効ですので、購入した在庫商品は返品できない可能性があります。
解説
マルチ商法とは
マルチ商法とは、商品を販売し会員を勧誘するとリベートが得られるとして、消費者を販売員にして、会員を増やしながら商品を販売していく商法です。販売員になると、高い利潤を得ようとしてたくさん仕入れをしてしまったにもかかわらず、思ったほど会員の勧誘ができず、仕入れた商品が売れないため、大量の在庫を抱えてしまうことになるといった問題が生じやすいことから、この商法は、「特定商取引に関する法律」により「連鎖販売取引」として厳しく規制されています。
連鎖販売取引の要件
特定商取引に関する法律33条1項に、連鎖販売業とは、①物品の販売又は有償の役務の提供事業であること、②商品の再販売、受託販売のもしくは販売のあっせんをする者又は同種役務の提供もしくはその役務の提供のあっせんをする者を誘引するものであること、③特定利益(マージン、リベート)を収受しうることをもって誘引するものであること、④誘引される者に特定負担をさせるものであることの4つの要件を満たすものと定められています。
対応方法
1 まずは、20日以内に書面でクーリング・オフを行います。事業者が、嘘や強迫等により事業者がクーリング・オフを妨害した場合、クーリング・オフ期間が延長されます(特定商取引に関する法律40条1項)。
2 勧誘の際、特定負担、特定利益、商品、クーリング・オフ制度や中途解約等に関して不実告知、故意の不告知により誤認して契約した場合には、6か月以内に契約を取り消すことができます(同法40条の3)。
3 勧誘時の説明に問題がなかった場合、中途解約することができます(同法40条の2)。しかし、この場合、解約の意思表示をするまでの契約関係は有効ですので、購入した在庫商品は返品できない可能性があります。
弁護士に依頼した場合
クーリング・オフなどを通知する内容証明郵便の送付、交渉
クーリング・オフや契約取消を主張する通知書を作成し、交渉を行います。
Q&A
Q マルチ商法で洗剤の販売を行っています。会社から、「どんな汚れも簡単に落とせる」というセールスコピーで販売するよう、指示されています。汚れがよく落ち、環境にもやさしい洗剤ですが、どんな汚れも落とせるわけではありません。会社の指示どおりのセールスコピーを使用して問題ないのでしょうか?
A 特定商取引に関する法律34条1項・2項において、取引商品の性能、品質に関する事項についても、故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為は禁止されています。