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国選弁護のご相談
法律相談
夫が逮捕されましたが、弁護士を頼むお金がありません。国が弁護士を付けてくれる制度があると聞きました。どのような制度でしょうか。
弁護士からの回答
国選弁護制度とは、一定の要件の下で弁護士を付けることができない人のために、国がその費用を負担して弁護士を付ける制度です。起訴されてから弁護人を付ける被告人国選弁護と起訴前から弁護人を付ける被疑者国選弁護があります。
解説
国選弁護とは
国選弁護制度とは、一定の要件の下で弁護士を付けることができない人のために、国がその費用を負担して弁護士を付ける制度です。起訴されてから弁護人を付ける被告人国選弁護と起訴前から弁護人を付ける被疑者国選弁護があります。
被告人国選弁護
刑事訴訟法36条で、被告人は貧困その他の事由により私選弁護人を選任することができないときは、裁判所に対し、国選弁護人の選任の請求をすることができるとされています。その手続は、必要的弁護事件か任意的弁護事件かによって分けられます。
⑴ 必要的弁護事件
必要的弁護事件とは、法定刑が死刑又は無期もしくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮にあたる事件、公判前整理手続もしくは期日間整理に付された事件又は即決裁判手続による事件のことで、これらの事件は弁護人がいなければ開廷することができないため、必要的弁護事件と呼ばれています。
弁護人がいなければ開廷できないという事情から、裁判所は既に私選弁護人が選任されている場合を除き、国選弁護人を選任しなければならないとされています。
⑵ 任意的弁護事件
必要的弁護事件以外の事件のことを任意的弁護事件といいます。任意的弁護事件については、被告人が国選弁護人を選任するためには、まず資力申告書を裁判所に提出し、現金や預金などの資力を申告する必要があります。資力が50万円に満たないときはそのまま国選弁護人の選任請求ができます。資力が50万円以上ある場合には、まず弁護sじかいに私選弁護士の選任申出を行わなければなりません。そして、弁護士会に弁護士となろうとする者がいなかったり、弁護士会から紹介された弁護士に受任を断られた場合には国選弁護人の請求ができるようになります。
被疑者国選弁護
法定刑が死刑又は無期若しくは長期3年を越える懲役若しくは禁錮に当たる事件について、被疑者に対して勾留状が発せられている場合で、被疑者が貧困その他の事由により私選弁護人を選任することができないときは、裁判官に対し国選弁護人の選任の請求をすることができるとされています。
勾留状が発せられていることが必要なので、勾留前には請求できないことに注意が必要です。
被疑者が国選弁護人の選任を請求するためには、資力申告書を提出する必要があります。資力が50万円以上ある場合には弁護士会に対し私選弁護人選任申出を行わなければなりません。資力が50万円に満たない場合にはそのまま国選弁護人の選任請求ができます。