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相続・遺言問題

事業承継のご相談

弁護士への法律相談

法律相談

中小企業の社長をしており、今年で60歳をむかえます。まだまだ引退は考えていなかったのですが、最近、65歳になる友人の経営者が事業を後継者に引き継ぎ、引退しました。私も、事業の存続や従業員のことを考えると、そろそろ事業承継について考えたほうが良いのではないかと思うようになりました。事業承継にはどのような方法があり、どのような手続きが必要になるのでしょうか。

弁護士からの回答

弁護士からの回答

事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことをいいます。事業承継の方法には大きく分けて、
⑴ 親族に承継する
⑵ 従業員に承継する
⑶ 第三者に承継する
という三つの方法があります。

対応方法

⑴ 親族に承継する

 親族に対して事業承継をする場合、生前贈与により株式を承継者に譲渡する方法、遺言により株式を承継者に集中して相続させる方法があります。しかし、他の相続人から遺留分(兄弟姉妹以外の相続人が最低限の相続を保持する権利)減殺請求をされた場合、相応の株式を渡さなければならない場合があるので、留意する必要があります。このように遺留分が事業承継の障害となることもあるため、遺留分制度の特例として、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」が制定されました。これを活用することも検討するとよいでしょう。

⑵ 従業員に承継する

 従業員への承継には、親族や取引先、従業員などからの抵抗が生じることが予想されます。従業員に承継する場合は、数年間、周囲の信用を獲得するように説明しつつ、経営権を委譲します。株式については、事業承継者の経営に配慮し、一定程度事業継承者に集中させることが必要です。
 保有資産の背景のない従業員が事業承継者となった場合には、株主となった相続人が引き続き信用を補完したり、相続した株式の一部を事業承継者に移転するなどして信用力を高めるほか、金融機関へ協力を要請し、事業承継者の保証債務を軽減することが必要です。

⑶ 第三者に承継する

 親族や従業員に後継者がいない場合、M&Aによる第三者への承継も考えられます。会社の合併や分割、株式譲渡など多くの法律上の問題、会計上の問題があるため、弁護士の他、会計士、M&A業者など専門家へ依頼することが必要です。

弁護士に依頼した場合

事業承継について、法的なアドバイスを行います。

遺言作成

法的に有効な遺言を作成し、相続人に事業を承継させます。

M&Aについての会社の代理人

M&Aによる第三者への承継を行う際に、会社の代理人として買い手と交渉を行います。弁護士が代理人となることで、法的トラブルを回避できます。