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脅迫

脅迫

脅迫されて困っています。
どうしたら良いでしょうか?
弁護士が解説します!

1. そもそも脅迫とは?脅迫罪とは?

辞書で脅迫の意味を調べてみると、
「脅迫」=相手にあることをさせようと脅しつけること。  とあります。
では、「脅迫罪」とは脅された場合全てが適用されるのでしょうか?

当たり前かもしれませんが、刑法では「脅迫罪」について、より細かく定義づけされていて、

刑法221条1項には
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」

とあります。
また、上記は生命、身体、自由、財産や名誉を保有している被害者本人だけでなく、その親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加えると告げて脅迫しても「脅迫罪」となります。(刑法221条第2項)

逆に言うと、生命、身体、自由、財産や名誉以外で脅して危害を加えても「脅迫罪」が成立しません。
また、対象が本人またはその親族でなければ「脅迫罪」が成立しません。
本人でも親族でもない同居している恋人や大親友などの生命などを害する脅しをいくらかけられたとしても、本人にいくら大事な人であったとしても脅迫罪は成立しないので注意が必要です。
つまり、「お前の恋人を誘拐するぞ!!!!」と言われても脅迫罪にはなりません。

そして本人もしくはその親族ではないので「法人」も基本的に該当しません。
ただ、法人の代表者や代理人などの生命、身体、自由、財産や名誉に対しての害を加える旨であるならばその個人に対する脅迫罪が成立します。

2. 脅迫罪として認められる(成立要件、構成要件)には、

これらを事例として挙げていくと、

・生命への害悪告知

→「殺すぞ」、「お前の親を殺すぞ」、「お前の妻子を殺すぞ」、など

・身体への害悪告知

→「お前の子供をケガさせるぞ」、「お前痛い目を見させるぞ」、「殴るぞ」、など

・自由への害悪告知

→「帰さないぞ」、「お前の子どもを誘拐するぞ」、など

・名誉への害悪告知

→「ネットでこの事をばらまくぞ」、「公表するぞ」、「世間の目にさらすぞ」、など

・財産への害悪告知

→「お前の財産を奪うぞ」、「金を出せ」、「家を燃やすぞ」、など

上記の「害を加える旨を告知して人を脅迫した者」の「害悪」(=害を与える)になるかどうかの判断は客観的な判断が必要になります。
つまりは被害者が「脅迫」と感じても「脅迫」に該当しない場合があります。
例えば
本物の銃を持って「撃ち殺すぞ!!」というのと、
おもちゃのスポンジの銃を持って「撃ち殺すぞ!!」というのでは与える恐怖が異なります。
この例でいえば、前者のみ「脅迫罪」に該当します。
「害の程度」は人が恐れるレベルである必要があります。
不快感や不気味、違和感程度のレベルでは「脅迫罪」に該当しません。

ただ、生命、身体、自由、財産や名誉を害するやり方として合法の権利を行使する場合であっても「訴えるぞ!!!」などと言っただけで脅迫罪になる可能性があります。

また、脅迫罪の該当性は以下の4つが該当しているかを見る必要があります。
1. 脅迫行為があるか
2. 脅迫の結果が生じたか
3. 脅迫行為と結果との間に因果関係があるか
4. 脅迫行為が意図しているか(故意か)

つまり、被害者もしくはその親族の生命、身体、自由、財産や名誉を害する(奪う)と告げ脅迫され、脅迫と害する(奪う)ものと関連づいていて、それをわざと(分かっていて)行っているか。
というストーリーが成立している必要があります。
このストーリーが成立していれば「脅迫罪」に該当します。
例えば精神障害があった場合など故意ではない(脅迫行為を認識していない)場合は脅迫罪は成立しません。

3. 脅迫罪の成立するタイミング

脅迫罪は「害悪(脅迫罪に該当する行為)を告知した時点」で成立します。
実際に被害者およびその親族が実害を受ける必要はありません。

つまり、脅迫罪には「未遂」がありません。
脅迫行為を行った時点で完全な罪が成立し、警察に逮捕される可能性も生じます。
更に、刑事告訴しなくても警察に逮捕され、刑事裁判にかけられてしまう可能性があります。(この刑事告訴しなくても逮捕出来る罪を「非親告罪」と言い、「脅迫罪」は非親告罪の部類に入ります)

4. 脅迫罪の有力な証拠

脅迫をしているところに目撃者や同席者がいればそれにこした事はないのですが、そうでない場合、明確な証拠がなければ警察が動いてくれない事が多いです。

証拠として
・メールや手紙、LINE、SNSなどのチャット内容
・現場に居合わせた人
・電話等の録音
・現場をスマートホンなどで撮影した動画
・防犯カメラ

これら証拠がなかったとしても事態が深刻であったり損害が大きい場合は警察に相談した方が良いでしょう。
加害者に余罪があった場合は脅迫の証拠が無くても捜査してもらえる場合があります。
また、警察への相談は記録が残りますので再度脅迫された際に証拠が手に入り信憑性が増す可能性があります。
また、弁護士に相談したらその辺りも包括的にアドバイスをもらえると思います。

脅迫罪で訴えたい場合も同様、警察や弁護士に相談しましょう。

5. 脅迫罪で訴えたい場合

脅迫罪で訴えたい場合、

処罰(刑罰)を望まない場合→警察に被害届を提出
処罰(刑罰)を望む場合→告訴

このどちらかのプロセスを踏むことになります。
告訴が受理されたら警察は捜査を開始する義務があります。
また、犯人を逮捕した場合は刑事裁判にかけるかどうか被害者に報告する義務もあります。
それだけ手間がかかるものなので刑事裁判に値する悪質な事件でなければ受理されにくい現状があります。
受理されない場合は弁護士に相談するとそもそも脅迫に該当するかどうかから法的な見解、アドバイスをもらえると思います。
ヒアリングした時点で場合によっては告訴状の作成を依頼する流れになるかもしれません。

6. 被害は受けたが警察沙汰にしたくない場合

脅迫事件の加害者が恋人であったり近しい関係、上司の親友など今後の関係性を考えると警察沙汰にはしたくない場合があります。
ただ、脅迫行為だけはやめて欲しい。
また加害者側が脅迫行為をしている事に気づいていないケースもあります。
特にトラブルの発端が借金の返済など被害者側だった場合、加害者は筋を通すように当たり前の感覚で(発端が被害者側だからそれに対しての報復など)脅迫行為を気づかずしてしまっている場合があります。

そういった場合、警察沙汰にせず脅迫行為だけを止めて欲しい場合は弁護士を通して内容証明を送る事が効果的です。

一般の方が内容証明を受け取ることは珍しく、驚いて脅迫行為を止める可能性は十分に考えられます。
弁護士名義で行っている行為が違法行為である事を指摘されれば普通の人や被害者から言われるより効果的と言えます。
また、借金の返済などの場合は弁護士を通して返済計画を協議し示談書を結ぶ事で加害者も納得してくれる場合は多々あります。

7. 脅迫罪の時効

脅迫罪の時効は3年です。
つまり、3年前の脅迫までは遡る事が出来ます。
起算日は「害悪の告知を知った時点」つまりは害を加える旨の告知をしった時点より3年間です。
刑事事件としての罪を訴える場合ではなく不法行為として慰謝料を請求する場合も同様に脅迫罪の時効は3年になります。

8. インターネット上や手紙、メール、電話などで脅迫罪は成立する?

最近インターネットの掲示板やSNSなどに書き込まれるケースが増えてきました。
また、手紙やメール、電話など様々なケースで脅す事が出来ますが、これらの方法により脅迫罪は成立するのでしょうか?

答えは 内容次第で脅迫罪が成立します。

ネット上の書き込みで「殺害予告」や、「○○の子供を誘拐してやる」「○○の家に火をつけてやる」と書き込みをしたり、
手紙やメールで脅迫状・脅迫文や「お前を殺す」といった文面を送ったり、
電話で「〇日までに○○円払え!さもなければお前の子供を殺す」と言ったりした場合、脅迫罪が成立する事があります。

9. 文面や発言だけでなく、態度・行動によっても脅迫罪が成立します

相手に文章で伝えたり何も言わなくても脅迫罪が成立するばあいがあります。
・刃物で刺すそぶり、こぶしで殴るそぶりをする
・相手が帰れない様に威圧的に取り囲んだり立ちはだかったりする

これらも脅迫罪に該当する可能性があります。
このように成立する範囲が広いのでうっかり逮捕されたりする可能性もあるので注意が必要です。

10. 遺失物横領罪

似ている様で罪名が違う脅迫と恐喝。
実際の違いの前に、共通点を述べますと、「どちらも他人に対して害悪を告知する」=「誰かに害を与え何かを損なう悪事を働くと告げる」という点では共通しています。

脅迫によって相手に義務のないことをさせる(強要する)行為(何らかの行動を抑制する行為)の場合、強要罪が成立しますが、強制する内容が「財物」(=金品や品物や財産として価値を有する物)を受け渡す場合は「恐喝罪」が成立します。
恐喝罪は強要罪の強要行為の中で「財物」に限定している罪と言えます。
脅迫罪における脅迫行為は被害者またはその親族の生命・身体・自由・財産・名誉に対する害悪(この場合は生命・身体・自由・財産・名誉を奪う悪事)を告げることに限定されていますが、恐喝罪の場合は、相手に告げる害悪の内容に制限はありません。
どのような内容の害悪であっても、相手を恐れさせることができれば、恐喝罪が成立します。

上記の通り脅迫罪には「未遂」がありませんが、恐喝罪には未遂処罰があります。

ただ、恐喝罪の場合、脅迫に限らず暴行で告げる事でも恐喝罪が成立します。

脅迫罪と恐喝罪の違い

  恐喝罪 脅迫罪
行為 暴行または脅迫により金品等財物を交付させる行為 ※害悪の告知(害を加えると告げる悪行)する行為
害悪の内容 対象は無制限 相手またはその親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対するものに限る。
行為の程度 (自由な意思決定が阻害されるほど)人をひどく恐れさせる (自由な意思決定が阻害されるほど)人をひどく恐れさせる
未遂処罰 あり なし
刑期等罪の重さ 10年以下の懲役 2年以下の懲役または30万円以下の罰金

11. 脅迫を用いて強要するケース

・脅迫をして金品を強要
脅迫して金品を強要すると上記の通り恐喝罪となります。
場合によっては強盗罪(5年以上の懲役)に問われることもあります。
「このスキャンダルを黙っててほしいなら100万円払え」などが該当します。

・脅迫をして性的な強要
脅迫して性的な行為を行うと強制わいせつ罪(6か月以上10年以下の懲役)になります。
場合によっては強姦罪(3年以上の懲役)に問われることもあります。
「金が返せないんだったら体で払うしかないな」などが該当します。

12. 脅迫罪で捕まってしまったら

上記にも記してありますが、
刑法221条 脅迫罪
「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」
と定めています。
仮に初犯であったとしても基本的にはこの法律の範囲内で言い渡される事になります。
刑期は脅迫罪によって生じた結果の重大性や脅迫罪の行為の悪質性の程度によって異なり、脅迫罪で生じた損害が大きい場合や極めて悪質な場合は初犯でも実刑になる可能性があります。
逆に損害が軽く、悪質性が低い場合は※不起訴になり前科がつかない事もあります。
※不起訴とは、検察官が裁判するかしないか判断するのですが、検察官が裁判をしないと判断することを言います)
初犯であれば※略式裁判による罰金刑で終わる場合もあります。
※略式裁判とは、手続きが簡略化された裁判のこと

刑法221条 脅迫罪
「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」
ここで使われた言葉について少し解説します。
「懲役」とは懲役刑の事で、逮捕され裁判で有罪判決を受けた人物を刑務所に収監する刑罰を言います。

ただ、懲役刑が言い渡されても加害者側の事情が考慮され「執行猶予」になればすぐには刑務所に収監されないことになります。
「執行猶予」とは、すぐに刑務所に収監されるわけではなく、執行猶予期間中は一般的な生活(社会に出て日常生活)を送り、執行猶予期間内に再び犯罪を行わなければ刑務所へ収監されなくて済む事を言います。(刑務所に行くまでの猶予を与えるという意味です)
仮に執行猶予期間中に犯罪を行わなければ執行猶予は取り消され、取り消されたその時から懲役刑の刑期分刑務所に収監されることになります。

また、「罰金刑」とは一定の金銭(脅迫罪では30万円以下)を取り立てる刑罰を言います。

懲役刑と罰金刑は懲役刑の方が重い刑なので悪質な脅迫事件に対しては懲役刑が言い渡される事になります。

13. 脅迫罪で訴えられました!執行猶予になるためには?

執行猶予になればすぐに刑務所に行く事は免れます。(執行猶予中に犯罪を犯してしまえばすぐに刑務所に収監されます)
上記でも記しましたが脅迫罪で刑事裁判になっても執行猶予になる可能性があります。

執行猶予になるためには脅迫事件の被害者に謝罪と賠償がしっかりとされていて、示談が成立している事が大切です。
謝罪と賠償で許してくれるというというわけではありませんが、誠意をもって尽くしましょう。
こちらの反省の意を込めて伝える事は大切です。

また、一度恐怖心を与えてしまった相手に直接伺い立てるより、謝罪と賠償の時には弁護士など代理人を立てた方が効果的と言えるでしょう。
被害者およびその家族が会いたくない場合もありますし、こういう場に慣れている弁護士であればどういう風に行動すべきかその都度判断がつきます。

アトム市川船橋法律事務所千葉支部には,脅迫罪などの刑事事件の経験豊富な弁護士が揃っています。示談交渉に非常に強く、被害者への謝罪のタイミング、方法など諸々アドバイスしています。
何かお困りでしたら直ぐにお電話ください。
最終的に依頼しなくても構いません。無料相談からで結構ですのでお早めにご連絡ください。

14. 脅迫罪で逮捕される場合

・現行犯逮捕

警察官が通報を受けて現場にかけつけ、まだ加害者が現場にいた場合、脅迫の内容が悪質だと判断された場合現行犯逮捕する可能性があります。
加害者が凶器を持っていたり、加害者が反社会的勢力だったりその関係者だと告げた場合、何度も何度も執拗に脅迫し続けた場合、脅迫の内容が悪質だと判断される傾向があります。

現行犯逮捕される場合、状況

警察官が通報を受けて現場に着いた時点で加害者が現場に残っていて、脅迫の状態(態様)が悪質だと判断された場合現行犯逮捕される傾向があります。
現行犯逮捕は警察しか出来ない訳ではありません。
目撃者や被害者の関係者によって現行犯逮捕される場合もあります。もちろん、現場は危険な状態である場合は身の安全を確保した状態で行う事が望ましいです。
あくまで現行犯逮捕(警察官だけでなく一般の人も逮捕出来るのは)はその時その場限りであるという事は忘れてはなりません。

なお、現行犯逮捕された後、加害者はそのまま警察署へ連行されます。

具体的に脅迫の状態が悪質とは
・加害者が凶器を持っている(使用している)場合
・加害者が反社会的勢力(暴力団等)と述べている場合
・何度もしつこく脅迫した場合

現行犯逮捕の例
加害者が店内で店員(被害者)を押さえつけ、加害者自身が暴力団関係者(反社会的勢力者)である事を告げた上で「逃げたら仲間がお前を殺すからな。殺すぞ。」などと述べ脅迫した事で現場にかけつけた警察官に現行犯逮捕になります。

・後日逮捕(通常逮捕)

脅迫の内容が悪質で、加害者が脅迫罪の証拠を隠滅する可能性や逃亡する可能性が高い場合だと後日逮捕(通常逮捕)される場合があります。
テレビドラマやサスペンス、ニュースなどでもよくある警察官が逮捕状をもって自宅などに来て逮捕されるケースがこれに該当します。
なお、逮捕状は裁判所が発行し、請求するのは一般的に警察官で、逮捕の理由と必要性を裁判官に認めてもらう必要があります。
ここでいう「逮捕の必要性」とは「加害者が逃亡する恐れや証拠などを隠蔽する恐れがある場合」です。
逮捕状の発行までにかかる期間は捜査の進み具合等によって異なってきます。法律上で期間に関して定められてはいません。
通常は1か月以内に後日逮捕となりますが、加害者およびその関係者が複数いた場合や内容が複雑な場合など捜査が難航し後日逮捕まで時間がかかる場合があります。
場合によっては半年、1年後に後日逮捕される場合もあります。

逮捕されてから留置場までのプロセスは現行犯逮捕と殆ど変わらず、警察署に連行され留置場に収監されます。

軽微な脅迫でわざわざ裁判所から逮捕状を持ってきて後日逮捕といったプロセスを踏まないのが一般的です。

隠ぺいや逃亡の恐れがあると判断される傾向のある(後日逮捕される)例

・加害者が複数いる場合
・脅迫罪の容疑を否認しているが合理性がない場合
・加害者が事件現場から逃走した場合
・住所不定の場合

後日逮捕の例
AさんがBさんを脅迫したにもかかわらず容疑を否認している。
しかし、主張に合理性が無く、かつ多数の目撃者や防犯カメラやスマートフォンの動画など決定的な証拠があった場合後日逮捕となります。

15. 逆に、脅迫罪で逮捕されない場合

全てが全て逮捕される訳ではありません。
脅迫罪を犯しても逮捕されない場合があります。
それは
「脅迫の状態(態様)が悪質ではない場合」
です。
逮捕されない脅迫罪の場合でも、被害届が受理されれば在宅での捜査・取り調べが行われる事になります。
つまり、留置場で生活せず自宅で過ごせます。
ただ、警察から呼び出しの要請があった場合は警察署に出向き、脅迫事件の捜査、取り調べに協力する必要があります。

16. 脅迫罪での逮捕期間

脅迫罪での逮捕期間は72時間です。
逮捕後48時間以内に送致され、そこから24時間以内に※勾留(こうりゅう)が請求されれば勾留、されなければ釈放となります。
脅迫罪での勾留が認められない限り留置場で何泊かしたのち釈放されます。

※勾留(こうりゅう)とは
加害者が逃亡したり証拠を隠滅したりするのを防ぐ為の身柄を拘束すること。
余談ですが、「拘留(こうりゅう)」とは読み方は同じですが意味が全く異なります。
「拘留」とは刑罰の一種で、刑罰を大きく分けると「生命刑」「財産刑」「自由刑」とあり、その中の「自由刑」の中の1つに「拘留(こうりゅう)」があります。

17. 脅迫罪での勾留(こうりゅう)期間

※勾留(こうりゅう)とは
加害者が逃亡したり証拠を隠滅したりするのを防ぐ為の身柄を拘束すること。上記の通り「拘留こうりゅう」とは読み方は同じですが意味が全く異なります。

最初は10日間、そこから延長された場合は追加で10日延長される可能性があります。
つまり、勾留が決定されれば最低でも10日間は警察署の留置場で生活しなければならなくなります。
しかし、勾留期間中に弁護士が入り示談が成立すれば釈放される可能性があります。

延長で10日追加で留置場で過ごす可能性があり、さらに脅迫罪で起訴された場合は延長された10日よりさらに長引く事になります。
それは「保釈が認められる」か「執行猶予判決が言い渡される」まで留置所か拘置所で生活し続けなければならないからです。

早期保釈が必要な場合は弁護士に依頼した方が得策と言えるでしょう。
アトム市川船橋法律事務所千葉支部では脅迫事件に対して豊富な経験、実績をもつ弁護士が多数在籍しています。
脅迫された、脅迫をしてしまった、逮捕された、釈放してほしいなど依頼者様の希望・利益に寄り添います。

24時間365日無料相談受付中です。
全ては初動が決め手となる場合がありますので事前に当事務所のお電話番号(043-301-6777)をお控え頂ければ緊急時すぐに電話でき、対応もよりスムーズにできると思います。

18. 脅迫罪の慰謝料とその相場

脅迫罪の慰謝料は脅迫罪によって生じた精神的損害に対する賠償金のことなので、慰謝料の額は脅迫罪によって受けた精神的損害の程度によって決まります。
もちろん、脅迫行為により被害者にトラウマが残ってしまうような悪質なケースであればあるほど慰謝料の額は高くなります。
相場は厳密にいくらかという数字を出すのは困難なほど幅が広いですが、数万円~数十万円となるケースが多い様です。
損害の大小だけでなく、被害者の処罰感情によっても金額が上下に動いたりします。

19. 脅迫罪では慰謝料を払うと示談成立する?

脅迫罪の被害者は加害者から慰謝料を受け取る権利を持っています。
ただ、脅迫罪において慰謝料を払うと示談が成立するという事はありません。
慰謝料の支払いはただの義務なので示談を成立させる為に払う事でもないですし、払ったから示談してくださいという事でもありません。成立しない事もあります。

しかし一つ言える事は、慰謝料を払う事で示談が成立するケースが多いです。

そもそも「示談」とは加害者と被害者、両者の合意を持って解決する事を言います。
被害者が納得いかなければ示談とはなりません。

20. 未成年は慰謝料の支払いが免除される??

法的には未成年者であっても脅迫罪の慰謝料を支払う義務があります。
慰謝料の支払いの義務を負わない者は
・自分の行為の実態や考えられる結果、責任を認識出来ず、自分の行為の善悪の区別が付けられない者(いわゆる弁識がない者)に限られます。
一般的には12~13歳以下が免除に該当すると言われています。
仮に未成年者でありお金が無くても慰謝料の支払いの義務自体は負う事になります。

21. 示談成立には示談書作成は必須??

示談書の作成は示談成立には必須ではありません。
ただ、その後のトラブル防止(示談成立した・してないの言い合い防止)の為には示談書を作成した方が良いと思います。

22. 脅迫罪で示談が成立したらどうなる??
示談が成立したら不起訴になる?

そもそも示談成立という事は被害者・加害者両者が合意して解決したという事を意味します。
示談が成立すれば加害者は被害者に示談金を支払い、その他の示談する為の条件を成し遂げなければなりません。これは義務です。
被害者は加害者が示談の条件を成し遂げない場合(無視した場合)は成立した示談書を証拠としてその後の民事手続きを有利に進める事が出来ます。

その為にも示談書の作成は重要になります。

また、示談が成立したからといって必ず不起訴になるとは限りません。
脅迫罪の行為が悪質な場合は示談しても起訴されるケースはあります。
ただ、被害が重くない場合は起訴猶予による不起訴の可能性は高まります。
なぜなら被害者と示談が成立していれば加害者を起訴する必要性がかなり低くなる為です。

23. 脅迫罪において被害者側の示談のメリット

飲酒運転で人を轢いたら刑務所行きは確定?示談は出来る

脅迫罪で示談が成立すると民事裁判などの面倒な手間、手続き等がなくなり賠償金を受け取る事が出来ます。
ここで注意が必要なのですが、示談の成立と同時に賠償金を受け取る様にしましょう。
その後加害者に逃げられる可能性があります。
仮に加害者から賠償金を受け取れず逃げられてしまった場合は示談書を証拠に民事裁判などの手続きをし、賠償金を受け取る手続きをしなければなりません。
ですので、示談をするのであれば示談金を実際に前払いで受け取った時点で示談書を作成した方が良いでしょう。

また、刑事事件としての脅迫罪の場合、加害者が刑務所に入ってしまうと民事裁判で損害賠償が認められても損害賠償金を回収することは非常に難しいです。
被害者が賠償金の回収を重視するならば加害者が現時点で用意した金額で民事裁判で認定される可能性がある賠償金より低くても示談してしまう事が多いようです。

24. 脅迫罪において加害者側の示談のメリット

脅迫罪の示談が成立すれば刑事事件において示談が成立していない場合とくらべ有利な状態になります。
つまり、前科がつかなかったり、刑事裁判にならない(不起訴になる)可能性が高まります。

これは脅迫罪の内容が軽微であればあるほど可能性が高まります。

25. 示談を拒否されてしまった場合は?

脅迫罪の加害者が示談に応じない場合、加害者から全然連絡がない場合は被害者として自ら脅迫罪で受けた損害を取り戻す為には自ら法的な手段を取る必要があります。
そういった場合は弁護士にまずは相談しましょう。
弁護士の中でも脅迫罪の事件を多く取り扱っている弁護士に相談した方が良いでしょう。

アトム市川船橋法律事務所千葉支部では脅迫事件に対して豊富な経験、実績をもつ弁護士が多数在籍しています。
24時間、365日無料相談も受け付けていますのでお気軽にお電話ください。
全ては初動が決め手となる場合がありますので事前に当事務所のお電話番号(043-301-6777)をお控え頂ければ緊急時すぐに電話でき、対応もよりスムーズにできると思います。

仮に弁護士に相談するのであれば(アトム市川船橋法律事務所千葉支部に限らず)無料相談をしているところに無料で相談するのが良いでしょう。
依頼する・しないは相談後ご自身での判断で良いか、事前に確かめてからでも良いと思います。
無料の相談内で今後の見解や展開、慰謝料や刑の重さのおおよそが知れると思います。

こういった交渉に慣れている弁護士に依頼し、弁護士が加害者に交渉するのが得策と言えます。
法的な背景や同様の判例が頭に入っている人が交渉を行うのとそうでない人が交渉を行うのでは雲泥の差があると思います。

・加害者が示談拒否(示談不成立)の場合

もし加害者がそれでも示談を拒否した場合は被害者は脅迫罪で被害を受けた事を理由に民事裁判や民事調停を起こすことも可能です。
ただ、たとえ被害者であったとしても民事の手続きで弁護士を立てる場合は自ら弁護士費用を負担する必要があります。
加害者が示談に応じない場合、加害者は刑事裁判において刑罰が重くなる可能性があります。
例えば示談が成立していれば不起訴になったり執行猶予の可能性があったのに、示談に応じない為に刑事裁判で罰金刑や懲役刑など実刑になる可能性があります。
また、示談せずに刑事処罰を受けたとしても脅迫罪の加害者は被害者に与えた損害につき引き続き損害賠償責任を負い続ける事になります。

・被害者が示談拒否(示談不成立)の場合

脅迫罪において被害者が示談を拒否した場合、加害者は刑事裁判で重い処罰を課せられる可能性があります。
脅迫罪で負わせた損害賠償を完了している場合、脅迫罪の加害者側に有利な事情として裁判で扱われます。
この損害賠償が完了していないと裁判後も脅迫罪により損害を与えた事を理由とする民事の損害賠償責任を負い続ける事になります。

示談金の金額や示談の条件が被害者の損害に相応しない(被害者が納得いかない)場合、脅迫罪によって受けた損害につき民事裁判や民事調停などの法的な手続きを取り加害者へ賠償を求めるのも一つの手段です。
しかし、脅迫罪の加害者が刑務所に入ってしまった場合は賠償金の回収が困難になります。
そこは頭に入れておいた方が良いでしょう。

また、示談の交渉を加害者本人が行うと損害を思い出したり感情が出やすくなってしまったりするのですが、弁護士が間に入って交渉することで事件と向き合って交渉に応じてくれる事も多々あります。
また、弁護士は守秘義務を負っている為に信頼されやすく、被害者の心理的な警戒を解いて交渉に応じてくれる場合があります。
また、弁護士から連絡をしても示談を拒否されてしまう場合は支払いたくても支払えない慰謝料を預ける「供託」という法的な手段もあります。

26. いざ示談が成立。示談書の書き方をチェックしましょう。

示談書は特別決まった書式、フォーマットがある訳ではないのですが、
1. 事件の日時、場所、当事者、脅迫の内容など
2. 示談金の金額とその支払い方法、支払い期日、分割払いが必要ならばその旨の合意
3. 宥恕条項(ゆうじょじょうこう)=被害者が寛大な心で加害者を許すこと
4. 清算条項=示談書に記載されたもの以外の賠償義務・債権債務がないこと
5. 両当事者の署名・捺印

3の宥恕条項(ゆうじょじょうこう)を設けた場合(もらえた場合)はその後の刑事裁判において加害者に罪が軽くなるなど有益に働きます。

27. 脅迫罪の示談成立までの流れ

脅迫罪において被害者と加害者の交渉によって示談が進行し、成立します。
交渉は当事者同士でも可能ですし、弁護士が代理人となって交渉することも可能です。
示談までの流れは以下のとおりです。

こういった流れを取る場合が多いです。

仮に加害者が被害者の連絡先を知らない場合、脅迫罪で示談を進めるには弁護士に依頼する必要があります。
弁護士であれば警察官や検察官から被害者の連絡先を聞くことができる場合が多く、連絡先を聞ければその後は弁護士が被害者と話し合い示談の交渉を進める事になります。

28. 最後に

アトム市川船橋法律事務所千葉支部では、豊富な実績から依頼者の利益を最大化すべく、迅速かつ丁寧な対応を致します。
また、脅迫事件は勿論、刑事事件全般を取り扱っており、多くの事案を解決して参りました。
その証拠に0.1%しかとれない刑事裁判においての無罪も多数取得してきました。
脅迫事件にはかなり精通しています。
刑事事件は時間との勝負となる場合が多いです。
それは逮捕から起訴までの時間が法律で決められ、一定の時間を過ぎると釈放が難しくなったりします。
それゆえに、弁護士に相談するのは早いに越したことありません。

少しでも依頼者様にとって有利になる判決を得る為にも、依頼頂かなくても少しでも早く安心して頂けるよう、お早めの相談を推奨しております。
アトム市川船橋法律事務所千葉支部では全力で解決に向け,弁護士が協力し弁護活動を行っております。
脅迫で被害にあった、相談が来た、どう対応すべきかなど、個人法人問わずすぐにご連絡ください。
24時間365日無料相談受付中です。
全ては初動が決め手となる場合がありますので事前に当事務所のお電話番号(043-301-6777)をお控え頂ければ緊急時すぐに電話でき、対応もよりスムーズにできると思います。

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